植物図鑑
ハナシュクシャ
ハナシュクシャ属
ハナシュクシャ
学名:
Hedychium coronarium
〔基本情報〕
高さ1~2mになる多年草。
根茎をもちます。
葉は2列に互生する単葉で、長さ20~60cm、幅5~10cmの披針形で、裏面に毛がはえます。
茎のように見える部分は、葉鞘が重なり合った偽茎と呼ばれるものです。
葉の間から花茎を伸ばし、長さ15~30cmの穂状花序に多数の花をつけます。
花序には重なってつく緑色の苞があり、苞の間から花が咲きます。
花は白色、筒部の長さは5~8cmほど、花弁状に発達した3個の仮雄ずいが目立ち、そのうちの1個は唇弁状になり浅く裂けます。
稔性のある雄しべが1本あり、花糸は太く、葯の先端から雌しべの柱頭が短く突き出します。
花には芳香があります。
果実は蒴果です。
〔来歴〕
日本には江戸時代に渡来しました。
〔利用〕
薬用のほか、花の精油から香水をつくられます。
〔栽培〕
増殖は株分けによります。
水はけ、水もちがよく、肥沃でやや湿り気のある土壌を好みます。
乾燥を嫌います。
秋~春は日向でも大丈夫ですが、夏の直射日光や強い西日は避けるようにし、鉢植えは真夏は半日陰に移動させます。
強風で倒れることもあるので、風よけがあるとよいです。
7℃程度まで耐え、凍結しなければ冬越しできるので、暖地では敷き藁や盛り土をすれば戸外越冬可能です。
寒冷地では鉢植えにし、冬は室内の日当たりが良い場所に取り込みます。
冬も生長を続けさせる場合は15℃以上必要となります。
根茎を掘り上げる場合は、葉が枯れはじめたら掘り上げ、完全に乾燥しないように湿らせたバーミキュライトやおがくずなどに埋めて凍らない場所で貯蔵しておきます。
水やりは鉢植えの場合は夏場の水切れに注意し、土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しないかぎり降雨にまかせます。
施肥は春から秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
病虫害は特にありません。