植物図鑑
シュロ
シュロ属
シュロ
学名:
Trachycarpus fortunei
〔基本情報〕
高さ3~7m、幹径10~15cmになる常緑高木でヤシです。
幹は直立して、上部が枯れた葉の柄と線維状の古い葉鞘で覆われます。
葉は幹先に密に互生し、径50~80cmの扇状円形で、扇状に多くの裂片に葉の長さの1/3ほどまで深く裂け、裂片はさらに先端が浅く2つに裂けて、古くなると先端部が折れて垂れ下がります。
葉柄は長さ60~100cm、幅4~5cmで、縁に刺状の突起があります。
雌雄異株です。
雄花・雌花とも3弁花で、葉腋から出る長さ30~40cmの円錐花序に多数つきます。
雄花序には淡黄色の雄花がつき、雌花序には淡緑色の雌花と両性花がつきます。
果実は長さ10~12mm、幅6~9㎜で扁球形の液果で、緑黒色に熟します。
よく似たトウジュロは葉先が折れないことで区別できます。
〔利用〕
幹は建築材料にされました。
繊維状の葉鞘は丈夫で耐水性があり、たわしやシュロ縄、ほうきの材料にされます。
若葉は、漂白され、敷物や帽子の材料になります。
葉は棕梠葉(シュロヨウ)とよび、種子とともに、民間薬として利用されます。
〔栽培〕
増殖は実生によります。
原産地では2,400mの高地まではえるため耐寒性が強く、-15℃まで耐えるので降雪地でも雪囲いなどをすれば越冬可能です。
寒い時期の移植は避けます。
水はけのよい肥沃な土壌を好みます。
半日陰~日陰を好みますが、日向でも育ちます。
水やりは降雨にまかせます。
施肥は寒肥として株のまわりに穴を掘って有機質の肥料を施します。
枯れた葉や傷んだ葉は、新葉が出てきてから葉柄の根元から切り取るようにします。
種子を採らないのであれば花穂をできるだけ早く切り取った方が株が疲れません。
病虫害は特にありません。
〔備考〕
関東地方以南では鳥によって運ばれた種子から芽生えた株が野生化しているのがよく見られます。