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植物図鑑

ビロウ

ビロウ属 ビロウ
学名: Livistona chinensis var. subglobosa

〔基本情報〕亜熱帯の海岸近くにはえる常緑の単幹性ヤシ。
幹は直立して高さ15m、径40~60cmほどになります。
幹には不規則な環状の模様があります。
葉は径1~2mで掌状に中~深裂し、裂片は先端が尖り、さらに2つ裂片に分かれて下垂します。
葉柄は長さ1.5~1.8mあり、縁に逆向きの刺がならびます。
葉柄の断面は三角形です。
葉腋に長さ1mほどの大きな円錐花序を出し、多数の花をつけます。
花は両性で長さ約4mm、黄緑色で、独特の臭気があります。
花には萼片、花弁とも3個ずつあります。
雄しべは6個あり、花弁より短いです。
果実は長さ1.8cmほどで楕円形の核果で、緑黒色に熟します。

〔利用〕暖地では街路樹や公園に植栽されます。
葉は扇や笠、蓑を作る材料や屋根材とされ、若い芽は食用になります。
与那国島では実をみそにするそうです。
材は床柱やステッキ材、弓や矢、指物、臼とされます。
『古事記』や『延喜式』に「檳榔」の名で登場し、平安時代には扇や牛車に利用され、特に白くさらした葉でふいた牛車「檳榔毛車(びろうげのくるま)」には上皇・親王・大臣以下、四位以上の者、女官・高僧などが乗用しました。
沖縄では神木とされています。

〔栽培〕増殖は実生によります。
鉢植えの場合、冬期は室内で管理します。
日当たりがよい場所を好みますが、夏の直射日光では葉焼けをおこすことがあるので半日陰に移動させます。
水はけのよい用土に植え、春~秋は土の表面が乾いてから水を与え、冬は成長が止まるため水やりは控えます。
水を与えすぎると根腐れします。
施肥は春~秋に液肥を施しますが、大きくしたくない場合は施肥を控えます。
鉢の下部から根が出てきたら、根詰まりをおこす前に一回り大きな鉢に植え替えます。
病虫害としてはアブラムシやカイガラムシがでることがあります。

〔備考〕別種であるビンロウと混同され、檳榔の字が当てられたことから「ビンロウ」が変化した名とされます。

名前
ビロウ(蒲葵、檳榔)、アジマサ(アヂマサ)、ホキ(蒲葵)、クバ、fountain palm
生活型
ヤシ
常緑・落葉
常緑
広葉・針葉
生活様式
地生
良く似た植物
植え付け(または播種)季節
花咲く季節
4月、5月
実のなる季節
10月、11月、12月
葉の鑑賞期間
分布または原産地
日本(四国南部、九州、琉球)、台湾
形状
直立
草丈・樹高
15000mm
葉の形
分裂葉
葉の生え方
縁の形
葉の特記事項
花のつき方
円錐花序
花弁の数
3
花の色
花径
花序の長さ
実の色
葉の色
種苗の入手難易度
種苗の入手形態
苗の流通時期
繁殖方法
日照条件
日向、半日陰
水分の必要性
普通、湿潤
土の必要性
必要
土壌酸度
耐候性
耐風性、耐陰性、耐潮性、非耐寒性
用途適性
鉢植、公園・庭園、街路樹
ハーディネスゾーン
9b〜11b
病害
虫害
アブラムシ、カイガラムシ
香り
味覚
食用
実、葉
毒性
有用
食用、その他クラフト
二十四節気、七十二候
物日の関わり
日本のお祭り
動物との関わり
文化との関わり
花言葉
指定植物
農林水産省品種登録番号
農林水産省品種登録品種名称
日本花き取引コード
19102
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