カキラン

カキラン属 カキラン
学名： Epipactis thunbergii

〔基本情報〕
日当たりのよい湿地にはえ、高さ30～70cmになる多年草。
地生ランです。
横に這う根茎をもち、節から根を出します。
全体に無毛です。
茎は直立して、基部が紫色を帯び、鞘状葉が少数つきます。
葉は互生する単葉で、5～10枚出て、長さ7～12cm、幅2～4cmの狭卵形です。
葉にはしわ状の脈があり、基部は鞘状に茎を抱きます。
総状花序に10個ほどの花がつき、花序の下から咲いていきます。
苞は花と同じくらいの長さです。
花は黄褐色で、萼片は長さ1.2～1.5cmの狭長卵形で緑色を帯び、側花弁は萼片とほぼ同じ長さで卵形です。
唇弁は橙色と紅紫色の模様があり、側裂片が耳状に突き出します。
果実は蒴果です。

〔栽培〕
増殖は株分けによります。
耐寒性はありますが、凍結すると芽が傷むことがあるので、寒冷地で積雪の少ない地域では霜よけや凍結を防ぐマルチングをするとよいです。
水はけと水もちのよい土壌を好み、水苔単体に植えこんでもよいです。
秋～春は日向もしくは午前中のみ陽があたる場所に置き、真夏の強い直射日光や西日にあたると葉焼けをおこすことがあるので夏は半日陰に置くとよいです。
落葉樹の下に置いて管理してもよいです。
乾燥を嫌うので、水やりは春～秋は植えこみ材の表面が乾いてきたらたっぷりと与え、冬の休眠中も完全に乾かない程度に与えます。
施肥は生育期間中に液肥を2週間に1回与えます。
また、開花後にお礼肥として有機質の肥料を置き肥してもよいです。
病虫害は特にありません。

〔備考〕
花の色をカキの実の色に例えた名です。