植物図鑑
アダン
タコノキ属
アダン
学名:
Pandanus odoratissimus
〔基本情報〕
海沿いでみられ、波しぶきを受ける海岸の岩石地に生育する高さ2~6mになる常緑小高木。
太い枝をまばらに出して、支柱根を下ろします。
枝は横に広がり、葉が落ちた痕が輪状に残ります。
葉は幹や枝先に3列生しますが、幹や枝がねじれるのでらせん状についてみえます。
葉は長さ1~1.5m、幅3~5cmの線状披針形で、厚くてかたい革質です。
葉の断面は三角形で、縁や裏面の主脈に長さ2~8㎜の鋭い刺がまばらにはえます。
雌雄異株です。
日本では春~秋に開花しますが、開花時期は一定ではありません。
雄花序は長さ4~5cmの肉穂花序が、円錐形に5~9個集まり、長さ20~25cmになります。
雄花序には長さ10~20cmでクリーム色の総苞が数個つきます。
雌花序は広い楕円形の肉穂花序になり、長さ10~20cmの総苞が十数個つきます。
花には萼も花冠もありません。
果実は多数があつまって長さ15~20cmで広楕円形のパイナップルに似た形になる集合果で、黄赤色に熟してパイナップルのような香りがあります。
1個の果実は長さ4~6cm、幅3~5cmほどの倒卵形で、先端が浅く6~8裂します。
〔栽培〕
増殖は株分け、挿木によります。
沖縄や小笠原などでは露地栽培可能で、寒さにやや強く3℃くらいまでなら耐えます。
風や潮風に非常に強く、乾燥にも耐えます。
水はけがよい腐植質の土壌に植えます。
鉢植えは春~秋はよく日に当て、冬はガラス越しに陽のあたる室内に取り込みます。
日陰にも耐えますが、日当たりが悪いとひょろひょろと軟弱になります。
水やりは鉢植えの場合は春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
葉の間に水が溜まらないようにします。
施肥は春~秋に2週間に1回、液肥を施します。
病虫害としては葉枯病、カイガラムシ、ハダニなどがあります。