植物図鑑
クワズイモ
クワズイモ属
クワズイモ
学名:
Alocasia odora
〔基本情報〕常緑樹林内の湿った場所でみられる高さ1m以上になる多年草。
太い根茎をもちます。
茎には葉の落ち痕が輪状につきます。
葉は茎先に数枚つき、長さ・幅とも60cmほどの楕円形で、基部は心臓形となり、葉柄に盾状につくのが特徴です。
葉には光沢があり、全縁です。
葉柄は太く、長さ60~120cmです。
葉の根元から長さ15~25cmの花茎を出し、先端にクリーム色の肉穂花序をつけます。
花序には長さ14~18cmで白色を帯びた緑色の仏炎苞があります。
花は小さく、雄花と雌花があり、花序の下部に雌花、上部に雄花がつきます。
果実は液果で赤色に熟します。
仏炎苞は果実が熟すと裂けて反り返ります。
〔利用〕葉柄や根茎を薬用とします。
葉は食べ物を包んだり盛ったりするのに使われます。
〔栽培〕増殖は株分け、挿し木によります。
茎の汁に触れるとかぶれることがあるので注意が必要です。
半日陰で水はけのよい土壌を好みます。
夏の直射日光にあたると葉焼けをおこします。
5℃程度あれば冬越しでき、霜が降りない地域では戸外越冬可能です。
寒冷地では冬は日当たりのよい室内に取り込みます。
エアコンの風にあたると葉が傷むので、直接風があたらない場所に置きます。
水やりは鉢植えの場合は春~秋までは土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾燥気味に管理します。
地植えの場合は晴天が続いて乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
室内に置く場合は霧吹きで葉水を与えると、乾燥を防ぐとともにハダニなどを予防できます。
肥料は特に必要ありませんが、春~秋に薄めた液肥を2週間に1回与えてもよいです。
病虫害としては軟腐病、ハダニなどがあります。
〔備考〕芋がえぐくて食べられないことが名の由来です。