植物図鑑
ネズミサシ
ネズミサシ属
ネズミサシ
学名:
Juniperus rigida
〔基本情報〕
丘陵地の日当たりのよいやせ地や花崗岩の岩場などにはえる常緑針葉低木または高木。
幹は直立し、高さ10m、径30cmにもなるものもあります。
樹皮は灰褐色で縦に薄くはがれます。
枝が弓状に反り、枝先は垂れ下がることが多いです。
葉は3輪生し、長さ1~2.5cmほどのまっすぐのびるかたい針状、横断面は三角形となり、葉先は鋭くとがって触ると痛いです。
葉の表面には深い溝状の白い気孔帯があります。
雌雄異株です。
雄花は前年枝の葉腋について雄しべが楕円形に集まり、雌花は3個の雌鱗片からなり卵形です。
球果は肉質の液果状で径1cmほどの球形となり、翌年の秋に紫黒色に熟して粉白を帯び、熟しても裂開しません。
球果には苞鱗が発達せず種鱗3個だけがあり、ふつう3個の種子があります。
〔利用〕
球果を薬用とし、種子油が薬用や灯用にされました。
材はかたく緻密で、床柱や彫刻材などに用いられます。
〔栽培〕
増殖は挿木によります。
日当たりと水はけがよく、やや乾燥気味の痩せた土壌を好みますが、一般的な培養土でも育ちます。
水やりは過湿にならないよう注意し、鉢植えや地植えでも植えつけ後2年未満の株は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えで根づいた株は降雨にまかせます。
施肥は特に必要ありませんが、様子を見ながら、必要であれば寒肥として有機質の肥料を施します。
病虫害としては赤星病、カイガラムシがあります。
〔備考〕
とがった葉のついた枝をネズミの通り道に置き、侵入防止に使ったことが名の由来です。
赤星病はナシにとって重大な病気で、ビャクシン類は赤星病の中間宿主となるため、ナシ園の近くではビャクシン類の植栽を規制している自治体もあります。