植物図鑑
ハナナス
ナス属
ハナナス
学名:
Solanum aethiopicum
〔基本情報〕
高さ1mほどになる多年草または亜低木ですが、寒さや霜に弱いため、一年草として扱われます。
全体に星状毛がはえ、茎や枝には刺があります。
葉は互生する単葉で、長さ10~20cm、幅6~14cmの卵形~長楕円形となり、しばしば脈上に刺があります。
葉の縁には低く大きな鋸歯があるか波状に切れ込みます。
花は茎の途中から出る花序に数個ずつ総状につき、花冠は径1.5~2.5cmで白色またはわずかに紫色を帯び、星形に5裂(6~9裂)します。
果実は径3~5cmの扁球形で、縦に数本の溝があり、橙色または赤色に熟します。
〔利用〕
日本では観賞用に栽培されますが、果実が薬用や食用にされる地域もあります。
ナスの台木としても利用されます。
〔栽培〕
増殖は実生によります。
発芽適温が20~25℃と高いですが、果実はなってから色づくまで時間がかかるため、播種が遅くなると果実が色づく前に枯れることがあります。
日当たりと風通しがよく、水はけ水もちのよい肥沃な土壌を好みます。
10号以上の大きな鉢か大型のプランターで育てます。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は晴天が続いて乾燥しない限り降雨にまかせます。
施肥は生育期間中、果実が熟すまで緩効性化成肥料を施します。
チッ素分が多い肥料では葉ばかり茂って花が咲きにくくなるので、3成分等量かチッ素が少なめのものを使用します。
初夏に摘心し、脇芽がのびてきたら数本だけ残して他は切り取り、一株あたりの着果数をコントロールします。
果実がなったら、果実に影を落とす葉を摘みとると、よく日が当たってきれいに色づきます。
草丈が高くなるので支柱を立てます。
病虫害としてはうどんこ病、アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニなどがあります。