植物図鑑
アッツザクラ
Rhodohypoxis属
アッツザクラ
学名:
Rhodohypoxis baurii
〔基本情報〕
高さ5~15cm、株幅15cmになる多年草。
径1~1.5cmの球形の球茎をもちます。
葉は根生する単葉で直立し、10~15枚ほど出て、長さ5~7cmの線形~披針形、白色の長い毛がはえ、主脈で2つ折りになります。
葉腋から花茎をのばし、花茎には白色の長い毛がはえ、茎先に1~2個の花が上向きに咲きます。
花は径1~2cmの6弁花で、花色は赤、ピンク、白色です。
花被片は基部で癒合して花筒部をつくり、外花被片はやや幅が広く外側に毛がはえ、内花被片の基部は爪状となり喉部で急に曲がって花筒部の口をふさぎます。
雄しべと雌しべは非常に短く、外から見えません。
果実は蒴果です。
〔来歴〕
日本には1935年、鈴木吉五郎によってイギリスから導入されました。
〔栽培〕
増殖は分球によります。
種子ができる品種では実生も可能で、こぼれダネでもふえます。
凍結しなければ戸外越冬可能ですが、球根が寒さに当たらないと花が咲かないので、室内に取り込む場合は10℃を上回らない場所に置きます。
球根を掘り上げる場合は、乾かないよう湿らせた砂などに入れて凍結しない程度の冷暗所で保存します。
日当たりと水はけのよい弱酸性の土壌を好みます。
山野草用の土を用いてもよいです。
高温多湿と冬の霜や凍結を嫌います。
水やりは多湿にならないよう注意し、鉢植えの場合は春から秋まで土が乾いてからたっぷりと与え、休眠中は土が完全に乾かない程度に水やりをします。
地植えの場合は降雨にまかせます。
施肥は元肥を施せば特に必要ありませんが、鉢植えでは様子を見ながら緩効性化成肥料の置き肥してもよいです。
病虫害は特にありません。
〔備考〕
名はアリューシャン列島のアッツ島とは無関係です。