植物図鑑
ウツボカズラ
ウツボカズラ属
ウツボカズラ
学名:
Nepenthes
〔基本情報〕
つる性のものが多く、地生または着生となる草本性または木本性の食虫植物です。
根は浅く、あまり発達しません。
葉は互生し、剣状~楕円形で全縁、先端から主脈が伸び、その先に小さな芽ができ、徐々に膨らんで捕虫袋となります。
主脈はときに巻きひげとなって他のものに巻きつきます。
捕虫袋の中には植物が分泌した液体(消化液)が入っていて、中に落ちた獲物を消化し、袋の下部にある腺から栄養分を吸収します。
捕虫袋の入り口には蓋があり、蓋は捕虫袋が成熟すると開き、袋の中に雨水がはいって消化液が薄まるのを防ぐと同時に、雨から避難してきた獲物が滑って袋に落ちる罠にもなっています。
捕虫袋の口はえり状になり、色鮮やかなものもあります。
捕虫袋の内壁は滑りやすく、消化液は粘性があり、獲物が逃げにくくなっています。
捕虫袋の形や色はさまざまで、同じ植物でも茎の上部と下部で形や色が異なる捕虫袋をつける2形性となるものもあります。
雌雄異株です。
茎先に総状花序まれに円錐花序を出し、小さくめだたない花を咲かせます。
果実は蒴果です。
〔栽培〕
増殖は挿木、取木によります。
年間を通じて15℃以上を保てるようにし、空中湿度が高い環境を好みます。
水苔に植えつけるか、鹿沼土や日向土にピートを混ぜた腐植質で水はけのよい用土を用います。
日当たりのよい場所に置くのがよいですが、真夏の強い日差しには当たらないように半日陰に移動します。
また、種類によっては日陰に向くものもあります。
水やりは植え込み材が乾いてきたらたっぷりと与え、葉水もこまめに与えます。
施肥は春から秋に2か月に1回、油かすや液体肥料を施します。
病虫害としては斑点病、ハダニ、カイガラムシ、アブラムシがあります。
〔備考〕
捕虫袋を矢を入れる道具の靫に例えた名です。