植物図鑑
セイヨウナツユキソウ
シモツケソウ属
セイヨウナツユキソウ
学名:
Filipendula ulmaria
〔基本情報〕
原産地では低地の湿った草地、沼沢地や小川の縁などにはえる高さ0.9~1.2m、ときに1.8mにもなる多年草。
茎には稜があり、直立して、しばしば赤みを帯びます。
葉には根出葉と茎に互生する葉があります。
葉は7~9小葉からなる奇数羽状複葉で、頂小葉は長さ4~8cmで、掌状に3~5裂し、縁には鋸歯があります。
葉の裏面には白色の綿毛が密にはえます。
茎先に長さ10~15cmの集散花序を出し、小さな白色の5弁花を多数つけます。
7~20本の長い雄しべがめだちます。
花には甘い香りがあります。
〔利用〕
古くから薬用として利用され、1838年にはじめて分離されたサリチル酸がのちにアスピリンとして合成されました。
中世イギリスでは殺虫・消毒などの目的で床にまくストローイングハーブとして用いられました。
根からは赤褐色~黒色の染料が得られます。
ワインやビール、ミード(蜂蜜酒)、ジャムなどの風味付けや、ハーブティーにも用いられます。
乾燥させた花はポプリに使われます。
〔栽培〕
増殖は実生、株分けによります。
日向~半日陰で水はけ・水もちがよく適度に湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
酸性土壌を嫌います。
強い西日が当たったり、乾燥する場所は避けるようにします。
夏に暑い地域では半日陰で栽培するのがよいです。
水やりは水切れしないよう注意し、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
肥料は元肥を施せば特に必要ありませんが、鉢植えの場合は生育期間中に薄めた液肥を月1回与えてもよいです。
病虫害は特にありませんが、乾燥するとハダニやうどんこ病が出ることがあります。