チリマツ

ナンヨウスギ属 チリマツ
学名： Araucaria araucana

〔基本情報〕
高さ30～40m、径1～1.5mにもなる常緑針葉高木。
樹皮は鱗片状にはがれます。
太い枝が水平にのび、樹形ははじめ広い円錐形ですが、成木になると下枝が落ち傘状になります。
葉はらせん状に密に互生して枝を覆い、長さ3～4cmの三角形で、先が鋭くとがり、厚みがあってかたいです。
葉は寿命が24年ほどと長いです。
ふつう雌雄異株ですが、同株となることもあります。
雄花序は楕円形～円柱形で枝先につき、はじめ長さ4cmほど、成熟すると長さ8～12cm、径5～6cmになります。
雌花序はほぼ球形で、枝先につきます。
球果は径12～20cmとなり、2～3年かかって熟し、200個ほどの種子を含みます。
種子は赤褐色で長さ3～4cmの三角錐状です。

〔利用〕
この仲間は世界三大公園樹のひとつに数えられます。
種子は食用になります。
材も有用ですが、絶滅危惧種に指定されているため現在は用いられません。

〔栽培〕
増殖は実生、挿木によります。
実生の場合はとりまきにするのがよいですが、冷蔵すれば翌年でも発芽能力があります。
発芽適温は25℃前後です。
挿木は主幹の先端部のみを使います。
側枝をさすと、横にしか伸びず本来の樹形になりません。
耐寒性があり、－20℃まで耐えます。
日当たりと水はけのよい土壌を好みます。
水やりは鉢植えの場合は春から秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
地植えの場合は降雨にまかせます。
施肥は春と秋に緩効性肥料を置き肥します。
病虫害としてはカイガラムシがあります。

〔備考〕
チリの国木です。