植物図鑑
イチゴノキ
イチゴノキ属
イチゴノキ
学名:
Arbutus unedo
〔基本情報〕
高さ3mほどになる常緑低木または小高木。
まれに高さ15m、幹径80cmにもなることもあります。
ふつう、基部近くからよく枝分かれして茂りますが、単幹木として育てることもできます。
成熟した幹や枝は灰褐色の樹皮がはがれて、赤褐色の内皮が現れます。
若い枝や葉柄はしばしば赤色を帯びます。
葉は互生する単葉で、長さ5~10cm、幅2~3cm長楕円形~倒卵形で、革質、表面は濃い緑色で光沢があります。
葉の縁には細かい鋸歯があります。
枝先から長さ5cmほどの円錐花序を下垂させ、10~30個の花がつきます。
花は白色または淡いピンク色を帯び、花冠は径5mmの壷形で先は浅く5裂します。
花にはほのかに甘い香りがあります。
果実は径1~2cmの球形の液果で、表面は小さな突起で覆われ、翌年の秋に赤く熟すので、花と果実が同時にみられます。
〔利用〕
果実は淡白な味ですが、ジャムなどに加工されます。
葉は民間療法に用いられます。
材はかたく、パイプの材料などにされます。
〔栽培〕
増殖は実生、挿木、取木によります。
日向~半日陰で水はけがよく、適度に湿り気のある肥沃な土壌を好み、夏の強い西日が当たるような場所は避けます。
冬の寒さで花や果実が傷むことがあるので、寒風が当たるような場所も避けます。
酸性土壌を好みますが、アルカリ性の土壌でも生育します。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しない限りは降雨にまかせます。
施肥は寒肥として、有機質の肥料や緩効性化成肥料を施します。
開花時に筆などで人工授粉をすると結実しやすくなります。
夏に強い乾燥にあったり、開花期に霜が降りると果実の収量が落ちます。
枝数が多くなく、自然に樹形が整うので剪定はせず、枝抜き程度にします。
病虫害は特にありませんが、アブラムシやカイガラムシがつくことがあります。