植物図鑑
サンゴアブラギリ
ナンヨウアブラギリ属
サンゴアブラギリ
学名:
Jatropha podagrica
〔基本情報〕
高さ0.5~1mほど、ときに2mになる常緑低木。
寒さや乾燥にあうと落葉します。
葉や幹を傷つけると毒性のある白い乳液を出し、触れるとかぶれることがあります。
幹は多肉質で、短く、基部がとっくり状にふくらみます。
枝は太く短く、葉の落ち痕がめだちます。
葉は茎先に密に互生して四方に放射状に出、長さ・幅とも10~30cmほどになり、掌状に3~5裂して裂片は全縁、質が厚く、掌状の脈が6~8本あります。
葉柄は長さ8~10cmで太く、無毛、葉に楯状につきます。
気温が十分にあれば1年を通して開花します。
枝先に長い柄をもつ集散花序を出し、花序の枝は朱赤色~橙赤色です。
花には雄花と雌花があり、朱赤色~橙赤色の小さな5弁花です。
果実は径1.5cmほどの楕円形の蒴果で、熟すと黒褐色になり、破裂して3~4m先まで種子を弾き飛ばします。
種子は長さ1cmほどの楕円形で滑らかです。
〔利用〕
有毒ですが民間薬にされます。
樹皮は魚毒として使用され、種子油は石鹸、ランプ、バイオ燃料などになります。
革のなめしや赤色染料にも利用されます。
〔栽培〕
増殖は実生、挿木によりますが、挿木でふやした株は幹が膨らみにくいです。
挿木は切り口をすぐ水で洗うか水につけるなどして白色の乳液を洗い流し、切り口を乾かしてから挿します。
種子は果実が熟すと遠くまで弾け飛ぶので、結実したら袋やネットをかけておきます。
冬越しには15度以上あるのが望ましいですが、室内の日当たりのよい場所に取り込んで乾かし気味に管理すれば、冬越しできます。
日当たりと風通し、水はけがよい土壌を好みます。
水やりは過湿にならないように注意し、春~秋は土が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
乾燥にはよく耐えます。
施肥は春~秋に緩効性化成肥料を少量置き肥します。
病虫害としてはカイガラムシがあります。
〔備考〕
花序をサンゴに、葉をアオギリに例えた名です。