植物図鑑
ノーブルモミ
モミ属
ノーブルモミ
学名:
Abies procera
〔基本情報〕
北アメリカ西部の山地にはえる常緑針葉高木。
幹は直立して、高さ70m、直径2cmにもなり、まれに高さ90m、直径2.7mに達することもあります。
狭い円錐形の樹形となります。
樹皮は灰白色で、ややなめらかですが、成木になると赤褐色になり割れ目がはいります。
枝は幹からほぼ直角に出て、若い枝は赤褐色で細かい毛がはえます。
葉は密につき、長さ10~35mm、幅1.5~2mmの線形で、光沢のある青緑色となります。
花には雄花と雌花があり、雄花は前年の枝の葉腋に1個ずつつき、多くの雄しべが卵形にあつまります。
雌花も前年の枝の葉腋に1個ずつつき、円柱状です。
果実は長さ10~25cmの円柱形の毬果で、上向きに直立します。
毬果ははじめ緑色ですが熟すと褐色になり、苞鱗の先が種鱗から長く突き出して反り返ります。
毬果の鱗片は熟した後、軸を残してばらばらに脱落します。
種子には翼があり、秋に風で散布されます。
〔利用〕
アメリカではクリスマスツリーとして人気がある木です。
材は建築材やパルプ材などに利用します。
〔栽培〕
増殖は実生によります。
冷涼な地域に向きます。
日当たりがよく、水はけと水もちがよい肥沃な土壌を好みます。
暖地では夏は西日を避けた半日陰で涼しく過ごさせるようにします。
耐陰性があります。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は晴天が続かないかぎりは降雨にまかせます。
鉢植えで屋内で栽培する場合、乾燥する時期にはときどき霧吹きで葉水を与えるとよいです。
施肥は鉢植えの場合は春に緩効性化成肥料を置き肥します。
病虫害としてはハダニやカミキリムシの幼虫(テッポウムシ)があります。