植物図鑑
ラカンマキ
イヌマキ属
ラカンマキ
学名:
Podocarpus macrophyllus f. macrophyllus
〔基本情報〕
ふつう樹高5mほどになる常緑針葉小高木または高木。
樹皮は灰白色で縦に細かく薄片となってはがれます。
葉は互生する単葉で、やや密について上を向く傾向があり、長さ4~8cm、幅0.4~0.8cmの線形で中央脈がめだちます。
葉の縁は全縁です。
雌雄異株です。
雄花は淡黄褐色で、多数の雄しべが長さ3cmの円柱状に集まり、葉腋に3~5個ずつ束生します。
雌花は葉腋に単生し、先が膨らんで1個の胚珠をつけます。
種子は緑色で白粉に覆われ、赤紫色に熟す花托とだるまのような形に連なってつきます。
種子には毒がありますが、花托は甘くて食べられます。
日陰や多湿地では種子が樹上についたまま発根することがあります。
〔利用〕
材は水に強く、器具材などに用いられます。
〔栽培〕
増殖は実生、挿木によります。
種子は赤い花托を取り除いて、とりまきにするか乾燥しないように貯蔵して春に播きます。
植栽分布は東北地方南部の沿海地から沖縄ですが、関東中部・北部ではしばしば寒風の害をうけます。
暖地向きの樹木で、特に幼樹のうちは耐寒性が弱いです。
日当たりと水はけがよい場所であれば土質は選びません。
日陰にも耐えます。
水湿地や潮風には耐えますが、乾燥する場所では衰弱します。
水やりは鉢植えや地植えにして2年以内の株は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えで根づいた株であれば降雨にまかせます。
施肥は寒肥として有機質の肥料を株のまわりに穴を掘って施します。
剪定に耐えるので、刈り込んで姿を整えるのは容易ですが、寒冷地では10月ごろまでに終えるようにします。
病虫害としてはペスタロチア病、キオビエダシャクなどがあります。