植物図鑑
インドボダイジュ
イチジク属
インドボダイジュ
学名:
Ficus religiosa
〔基本情報〕
30mにも達する常緑高木。
寿命が長く、樹齢1000年を超える木もあります。
葉や茎を傷つけると白色の乳汁が出ます。
幹や枝から多数の気根を出します。
葉は互生する単葉で、長さ10~17cm、幅8~12cmの広卵形で、先端が尾状に長くのびます。
葉の縁は全縁です。
葉柄は長さ6~10cmです。
葉腋または葉の落ちた痕のわきに扁球形の花嚢をつけます。
花嚢が幹や枝に直接ついている幹生花となります。
花は花嚢の内側につくため、外見上、花が見あたらないまま果実が熟します。
果嚢は径1~1.5cmの扁球形で赤紫色に熟し、紅色の斑点があります。
種子は鳥によって散布されますが、野生下ではこれが樹上で発芽して着生し、成長するにつれ気根で着生している樹を覆って枯らしてしまうことがあります。
そのため絞め殺しの木ともよばれます。
〔来歴〕
釈迦がこの樹の下で悟りをひらいたとされ仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教で神聖な木とされています。
日本の寺院ではインドボダイジュの代用としてシナノキ属のボダイジュを植えていることが多いです。
〔利用〕
樹皮や根皮などを薬用とします。
〔栽培〕
増殖は挿木や取木によります。
日当たりを好みます。
耐暑性があり、冬期も0℃までは耐えるので暖地では露地栽培が可能です。
観葉植物として栽培する場合は冬は窓際の明るい場所などで管理します。
水やりは鉢植えの場合は春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、冬は乾かし気味に管理します。
また、葉に霧吹きで水を与えます。
春から秋に2週間に1回液肥を与えるか、2か月に1回緩効性固形肥料を置き肥します。
病虫害としてはハダニやカイガラムシ、アブラムシがあります。