植物図鑑
アルメリア
ハマカンザシ属
アルメリア
学名:
Armeria
〔基本情報〕常緑多年草。
地際から細長い葉を、多数、ロゼット状に出し、こんもりと茂ります。
株の中心から長い花茎を伸ばし、先端にボール状の花序をつけます。
花のつくりは複雑で、1~3花からなる小花序が複数球状に集まって頭状の花序を形作ります。
小花序にはそれぞれ乾いた膜質の苞が3個あり、一番外側にある小花序の苞は総苞のようになります。
この外側の苞のうちいくつかが花茎を鞘状に包みます。
ひとつひとつの花は花冠が深く5裂します。
春の花壇植物として利用され、一般的なものはアルメリア マリティマ(Armeria maritima)ですが、近年はA. pseudarmeria、A. caespitosa、交雑種なども流通しています。
〔栽培〕増殖は実生、株分け、挿し芽によります。
多年草ですが、毎年株分けで更新しないと枯れ込む場合があります。
株分けは裂くようにして株を割り、各株に最低でも1本の根がついているようにします。
日当たりと水はけ、風通しのよい場所を好みます。
日当たりが悪いと生育が悪くなります。
自生地が地中海性の乾いた気候なので、乾燥には強いですが、高温期の長雨や蒸れを嫌います。
植えつけには草花用の土に鹿沼土や桐生砂などを2~3割混ぜて水はけをよくします。
また、高山性の種類には砂植えや山野草用の土を用います。
水やりは鉢植えでは春~開花期間中は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、開花後は湿りすぎないよう土が乾いてから与えます。
地植えの場合は根づいてしまえば降雨にまかせます。
施肥は秋に緩効性化成肥料、春に即効性のある肥料を施し、夏は与えないようにします。
種子を採らない場合は、花が終わったらこまめに花がらを摘むようにします。
病虫害としては灰色かび病があります。
梅雨~夏の高温多湿期の蒸れや水はけの悪さにより根腐れが発生することがあります。