植物図鑑
ラズベリー
キイチゴ属
ラズベリー
学名:
Rubus
〔基本情報〕
高さ1~1.5mになる落葉低木。
ヨーロッパではヨーロッパキイチゴそのものを指すことが多いですが、流通品は北アメリカに自生する種も含め交雑種がほとんどのため、総称として扱います。
果実の色によって、赤ラズベリー、黒ラズベリー、紫ラズベリーの3系統に分けられます。
枝はふつう直立し、刺があります。
葉は互生する奇数羽状複葉です。
花は白色の5弁花です。
果実は熟すと花床から簡単にはずれ、内側が中空となります。
一季なり性と二季なり性の系統があります。
〔来歴〕
16世紀にイギリスで栽培化されました。
アメリカへは移民によって導入されましたが現地の気候に合わず、北アメリカに自生する種をもとに改良がすすめられました。
〔利用〕
果実には甘みと酸味、香りがあり、生で食べたりジャムなどの加工品にされます。
〔栽培〕
増殖は株分け、挿木、取木によります。
日当たりと水はけ、水もちのよい肥沃な土壌を好みます。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
施肥は寒肥として有機質の肥料を施すほか、開花後と秋に即効性の化成肥料を施します。
剪定は冬に行ないます。
一季なり性の系統では、その年に果実をつけた結果枝を根元から切り、新しく伸びてきた来年果実をつける枝(結果母枝)のうち径1cm以上の枝を選んで1株あたり5~6本残すようにします。
二季なり性の系統ではその年の秋に果実がついた枝は翌春にも実がなるので残し、それ以外の枝を整理して、来年果実をつける枝(結果母枝)のうち径1cm以上の枝を選んで1株あたり5~6本残すようにします。
結果母枝は枯れた部分を取り除き、側枝は根元の1~2芽を残して切り詰めます。
病虫害としては灰色かび病、炭疽病、カイガラムシ、ハダニなどがあります。