植物図鑑
デンファレ
セッコク属
デンファレ
学名:
Dendrobium
〔基本情報〕
いくつかの原種をもとに作出された交配種群。
着生する高さ20~100cmの常緑多年草。
根茎は短く、多数の根が出ます。
多肉質で棒状の茎が叢生します。
茎の下部は葉鞘に覆われます。
葉は互生する単葉で、楕円形~長楕円形または卵形で、全縁です。
茎の上部の葉腋から数本の長い花茎が出て、数個~20個の花をつけます。
花茎は立ち上がるか弓状に曲がります。
花色は白色~赤紫色または複色、黄緑色、クリーム色などがあります。
背萼片、側萼片は長楕円形~披針形、側花弁はまるみがある卵形です。
唇弁はわずかに3裂し、基部がずい柱を包むように上に巻きます。
〔利用〕
花茎が長く伸び、多花性で花もちがよく、花色も多彩で、切り花に向きます。
〔来歴〕
デンドロビウム ファレノプシス(D. phalaenopsis)、デンドロビウム ビギッブム(D. bigibbum)を中心にD. discolor、D. gouldii、D. antennatum、D. macrophyllum、D. spectabile、D. canaliculatumなどをもとに作出されました。
〔栽培〕
増殖は株分けと高芽どりによります。
年間を通じて18℃以上を保てる日当たりと風通しのよい場所で育てます。
18℃を下回ると葉が黄色くなり落ち始めます。
葉が落ちてしまっても茎が緑色であれば、春以降にまた葉が出ます。
夏の直射日光に当たると葉やけを起こすことがあります。
水苔に植え込みます。
春から夏は植込み材料の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、気温が下がる時期はやや乾かし気味に管理します。
施肥は新芽の伸びるころから秋まで液肥を週に1回施します。
病虫害としてはウイルス病、ハダニ、カイガラムシ、アブラムシ、ナメクジがあります。
〔備考〕
名は花がコチョウラン(ファレノプシス)に似るデンドロビウムという意味で、交配の基本となる原種の学名に由来しています。