植物図鑑
レイシ
レイシ属
レイシ
学名:
Litchi chinensis
〔基本情報〕高さ7~10mほどになる常緑高木。
低い位置から枝を分けます。
樹皮は灰色です。
葉は互生し、ふつう3対の小葉からなる偶数羽状複葉です。
小葉は長さ5~16cm、幅1.5~5cmの披針形で全縁です。
葉の裏面は灰白色です。
枝先に円錐花序を出し、1つの花序に500-2,000個もの花がつきます。
花には雄花、雌花、両性花があり、淡い黄色で、花弁はありません。
果実は1つの花序に数十個つき、球形または倒卵形です。
果皮はかたく亀甲状の凹凸があり、果皮の色には変異があります。
果皮をむくと食用になる仮種皮があります。
白く半透明の仮種皮には特有の芳香があり、多汁で甘味と酸味があります。
仮種皮の中に大きく黒褐色で長楕円形の種子が1~2個含まれます。
〔来歴〕中国では古くから珍重され、楊貴妃が華南から都の長安まで早馬で運ばせた話が有名です。
〔利用〕熱帯~亜熱帯地方で果樹として栽培されます。
種子、樹皮、根などが薬用とされます。
〔栽培〕増殖は実生、接木、取木などによります。
種子は寿命が短いので取り播きとします。
実生の場合、収穫できるまで10年以上かかるため、取木の方が向いています。
発芽には25度以上の気温が必要です。
日当たりと水はけのよい肥沃な酸性土壌を好みます。
耐寒性はありますが、冬でも10度以上を保つのが望ましいため、暖地以外では露地栽培できないので鉢植えで育てます。
春~秋はよく日に当て、冬期は霜や寒風を避けられる屋内の窓辺などに移動させます。
春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、冬は乾かし気味に管理します。
春~秋は2~3ヶ月に1回リンがやや多めの化成肥料を施します。
着果した場合は形や色の悪い実は摘果し、残った実を太らせます。
完熟後、収穫しますが、果実は非常に日持ちが悪いです。
病虫害としてはカイガラムシ、ハマキムシ、ミバエ、ハダニなどがあります。