植物図鑑
クダモノトケイソウ
トケイソウ属
クダモノトケイソウ
学名:
Passiflora edulis
〔基本情報〕
常緑つる性多年草。
つるは古くなると木質化します。
葉は互生する長さ10~18cmの単葉で、掌状に深く3裂し、光沢があります。
葉の縁には鋸歯があります。
葉の根元には長さ20~40cmの巻きひげがあり、これで他のものに絡みつきます。
葉腋に径5~7cmほどの花が単生します。
花は萼片・花弁とも5個ずつあり白~淡い紫色で、その内側にある多数の糸状の副花冠が目立ちます。
副花冠は根元が紫色、先が白色です。
放射状に広がる5個の雄しべと、3個の柱頭が大きく目立ちます。
果実は長さ5~10cmで楕円形~円形の液果で、濃い紫色に熟しますが、品種により黄色く熟すものもあります。
果肉(仮種皮)はオレンジ色でゼリー状になって種子を包みます。
〔利用〕
果実内部のゼリー状の果肉(仮種皮)には酸味と香りがあり、生食、ジュース等に利用します。
〔栽培〕
増殖は挿木によります。
20~30℃で開花期に20℃を下回ると受粉していても結実しにくくなります。
四国や九州南部以南の暖地なら露地栽培も可能です。
日当たりと水はけのよい土壌を好み、冬の寒風は避けるようにします。
日当たりが悪いと株が軟弱になり、果実も小さくなります。
水やりは過湿に注意し、春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
開花期間中、結実中は水切れを起こすとつぼみや花、果実が落ちるので、十分に水を与えます。
施肥は春~秋に3成分等量もしくはリン酸が多めの緩効性化成肥料を置き肥します。
生育期間中はつるがよく伸びるので、絡まないように、1~2週間に1回、誘引や伸びすぎた枝の整理を行うとよいです。
花が咲いたら刷毛などで人工授粉をおこなうと結実率が上がります。
病虫害としては苗立枯病、アブラムシ、カイガラムシなどがあります。