植物図鑑
キュウコンベゴニア
シュウカイドウ属
キュウコンベゴニア
学名:
Begonia ×tuberhybrida
〔基本情報〕アンデス山系の熱帯高地に分布する複数の野生種をもとに、交配によってつくられた園芸品種群。
太い茎が立ち上がる立ち性(スタンドタイプ)と柔らかい茎が垂れ下がる下垂性(ハンギングタイプ)の2系統があり、そこからさらに花の咲き方などにより細かく10以上のグループに分類されます。
多汁質の多年草。
地下に扁平な塊茎(球根)をもちます。
葉は互生する単葉で、左右非相称となります。
葉の縁には鋸歯があります。
花の大きさや形、色はさまざまです。
長日性で日長が14時間以上で適温が保たれると、葉腋に花芽がつき、開花が続きます。
秋になり、日が短くなり気温が下がり始めると球根が肥大し始めます。
晩秋には地上部が枯れ、冬は休眠します。
〔来歴〕基本となった野生種は7種あり、それぞれBegonia boliviensis(1864年)、B. veitchii(1865年)、B. cinnabarina(1847年)、B. clarkei(1867年)、B. davisii(1876年)、B. pearcei(1864年)、B. rosiflora(1867年)にヨーロッパに導入されました。
1869年に最初の交配品種‘Sendenii’がイギリスのヴィーチ者で作出され、1873年には複数の八重咲き品種が発表されました。
〔利用〕整った花容と華やかさから、ベゴニア園や植物園などで人気です。
〔栽培〕増殖は実生、挿芽によります。
球根では増やせません。
種子は粉のように小さく、多汁質でつぶれやすいので一般家庭では難しいです。
通気性に富んで水はけがよく、適度な保水力のある土壌を好みます。
球根は芽が土から出るか軽く隠れる程度に浅く植えます。
秋から春にかけては日当たりのよい場所、夏は強い日射しが当たると葉焼けをおこすので半日陰の涼しい場所で管理します。
風通しの良い場所を好みます。
生育適温は18℃~25℃で、暑さに弱く、30℃以上になると成長が止まります。
乾燥に強く、過湿になると根腐れをおこしやすくなります。
雨に当てないように管理します。
水やりは春と秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
このとき、葉や花に水がかかると病気の原因になるため、株元にやるようにします。
施肥は春と秋に緩効性肥料を月に1度、もしくは液肥を2週間に1度与えます。
夏は暑さで弱るので施肥は行わず、水やりも極端に乾燥しない程度とします。
晩秋、地上部が枯れ始めたら乾かし気味に管理し、完全に枯れて球根だけになったら水を切るか、球根を掘り上げて凍らないように貯蔵します。
花が咲き終わったら、1/2くらいの高さに切り戻すと新しく枝が伸び、再び花をつけます。
直立する品種には茎が折れないよう支柱をたてます。
病虫害としては灰色かび病、うどんこ病、斑点細菌病、アブラムシ、ハダニ、アザミウマなどがみられます。