植物図鑑
コブクザクラ
サクラ属
コブクザクラ
学名:
Cerasus ‘Kobuku-zakura’
〔基本情報〕シナミザクラと十月桜(もしくはエドヒガン)の雑種と推定される園芸品種。
落葉高木。
樹幹の分岐する部分から気根が出ます。
若い枝は緑色です。
葉は互生する単葉で、長さ3~8cm、幅1.5~3.5cmの長楕円形です。
葉の表面には光沢があり、裏面の脈上と葉柄には斜上する毛がはえます。
葉の縁には鋭い重鋸歯があります。
花は葉腋に出る散形花序に2~4個つき、径2.5~3.5cmほどで花弁は20~50個あり、白色から淡い紅色に変化します。
雄しべは40~50個あります。
雌しべは1~5個あり、花柱は無毛です。
10月頃から年明けまで咲き、春にも開花する二季咲きです。
萼筒は上部がややくびれる鐘状壺形、萼裂片は上半分に粗い鋸歯があります。
冬の花では花柄はほとんどなく、小花柄は長さ0.5cm、春の花では花柄は長さ1cm、小花柄は長さ2.5cmで斜上する毛がはえます。
果実は黒色に熟します。
1つの花に複数の雌しべがあるため、1~3個の果実がくっついてつきます。
〔来歴〕熱海市や関西方面で広くみられ、川口市安行にもありますが由来ははっきりしません。
角田春彦はシナミザクラ×十月桜、大井次三郎はシナミザクラ×エドヒガンと推定しています。
〔栽培〕増殖は挿木、接木によります。
日当たりと水はけがよい場所を好みます。
庭植えで大木になって困る場合は、木の大きさをコントロールするため、布ポットで根が張るスペースを抑制するとよいです。
苗木のうちは株もとにワラを敷くなどして霜を防ぎます。
また、必要がなければむやみに枝を切らない方がよいです。
病虫害が多いため、注意が必要です。
〔備考〕果実が多くつく様子から名がつきました。