植物図鑑
サフラン
サフラン属
サフラン
学名:
Crocus sativus
〔基本情報〕高さ10~15cmほどで栽培起源の球根植物。
地下に茎が短縮して肥大した球茎(球根)ができます。球茎は繊維状の外皮に包まれます。
葉は10個以上が根出して、幅1~3mmの線形、表側の中央に青白色の溝が通ります。
葉の基部は薄い膜で鞘状に包まれます。
葉は開花前から花より高く伸びていますが、花後により長く伸びます。
花は葉の中心から1~4個出ます。
花は基部が細くなる筒状花で芳香があり、花弁は6個あり、淡い紫色です。
花柱は赤色で3つに裂け、長く垂れ下がります。
三倍体のため種子はできません。
〔利用〕花柱を食品の着色や風味づけに利用し、パエリヤ、ブイヤベース、サフランライスなどに利用されています。
また、染料や薬用、香料、お茶としても利用されます。
生薬としては蕃紅花(番紅花)とよばれます。
手摘みで収穫し、1gのサフランを得るのに160個ほどの花が必要なため、高価です。
〔来歴〕古代ギリシア時代のクレタ島に起源があると考えられ、その当時から利用されてきました。
日本には江戸時代末期に生薬として渡来しました。現在、国内では大分県竹田市、宮城県塩竈市などが産地となっています。
〔栽培〕増殖は球根によります。
日当たりがよく、有機質に富んだ水はけのよい砂質土壌で冷涼な環境を好みます。
少なくとも葉の出ている期間は半日以上日が当たるところに置きます。日当たりが悪いと球根が大きくならないため、翌年以降の花つきが悪くなります。
水をやりすぎると球根が腐るので、乾いたら与えるようにします。
植えつけ時に元肥をし、開花後と早春にリン酸分の多い肥料を追肥しますが、多く与えすぎると球根が腐るので注意が必要です。
春に葉が枯れたら球根を掘り上げて保管するか、水はけがよい場所であればそのまま植えっぱなしにしておきます。
病虫害として乾腐病、軟腐病、モザイク病があります。