コウモリラン

ビカクシダ属 コウモリラン
学名： Platycerium alcicorne

〔基本情報〕樹上に着生する大型の常緑シダ。
葉には基部にある扁平な貯水葉（裸葉、外套葉とも）と、鹿の角を思わせる胞子葉の２タイプがあります。
根茎は太く、鱗片と多くの細い根と葉をつけます。
葉は互生します。
貯水葉は径30cmほどにもなり、腎臓形でほぼ全縁、着生する樹に密着しています。内部に貯水組織をもち、早くから褐色になりますが脱落しません。
胞子葉は60～100cmほどで革質、上半分が扇形に広がる楔形で、3～4回叉状に分岐します。葉の裂片は扁平でひも状です。
胞子嚢は葉の末端裂片の先端数mmを除く全体または最終分岐よりやや下部までつきます。

〔栽培〕増殖は株分けによりますが、胞子からの増殖も可能です。
高温多湿の半日陰を好みますが、冬期は乾燥気味にすれば0度近くでも耐えます。
鉢植えではヘゴチップ等を詰め、水苔ではさんで固定します。ヘゴ板つけは水苔を間にはさんで紐で固定します。
株が大きくなり下部が貯水葉で覆われるようになると排水が悪くなり株が弱るので、貯水葉に水抜き用の穴をあけるか株分けをおこないます。
害虫としてカイガラムシがつくことがあるので見つけ次第、補殺したほうがよいです。

〔備考〕コウモリランとして栽培されているものはビカクシダであることが多いです。
ビカクシダより胞子葉の裂片が細く切れ込みが深い、貯水葉の縁に切れ込みがない等の点で区別します。