植物図鑑
ケナシヤブデマリ
ガマズミ属
ケナシヤブデマリ
学名:
Viburnum plicatum var. plicatumf. glabrum
〔基本情報〕
日本海側の標高30~1,400mの落葉樹林の流れ沿いの湿った場所でみられる高さ2~6mの落葉低木。
枝は水平に出ます。
若い枝はほぼ無毛で、星状毛のみまばらにはえます。
葉は対生する単葉で、長さ8~15cmの葉幅が広い円形~倒卵形となり、表面は無毛、裏面は無毛となるかやや星状毛がはえます。
側脈は9~15対でほぼ真っ直ぐのびて、縁に鋸歯があります。
葉柄は無毛となるかやや星状毛がはえます。
枝先に径5~10cmの平らな散房花序を、1対の葉とともに出し、花序は無毛となるかまばらに毛がはえます。
花序の周辺には装飾花が数個つきます。
装飾花は径2~4cmで白色、花冠は不揃いに5裂し、うち1片は非常に小さいです。
花序の中心にある両性花は径3.5~5mmでクリーム色~白色、花冠は5裂します。
果実は長さ5~6.5mmではじめは赤く、のちに黒く熟します。
果実期には花序の柄が赤くなります。
〔栽培〕
増殖は実生、挿木によります。
実生の場合は熟した果実を採り、果肉をよく洗い流してから播きます。
日当たりがよいか半日陰で水はけがよい腐植質に富んだ場所であれば土質を選ばずよく育ちます。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いてひどく乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
施肥は寒肥のほか、花後にお礼肥として3成分等量の緩効性化成肥料を施します。
剪定は行わず自然樹形を楽しみますが、コンパクトにまとめたい時は花後のなるべく早い時期に芽の少し上で切るようにします。
風通しが悪いとうどんこ病やカイガラムシが発生しやすいので注意が必要です。