植物図鑑
ノアザミ
アザミ属
ノアザミ
学名:
Cirsium japonicum subsp. japonicum var. japonicum
〔基本情報〕
山野の日当たりのよい草地や土手などでみられる高さ50~200cmの多年草。
山形県飛島では高さ3mにもなるものがあるそうです。
根は紡錘形に肥厚することはなく、太い紐状です。
茎は直立し、上部で枝分かれします。
葉には根出葉と茎につく葉があり、根出葉はふつう花の時期にも残ります。
根出葉は長さ15~40cm、幅4~10cmの狭卵形~狭楕円形となり、羽状に5~6対の裂片に裂け、縁には刺があります。
茎につく葉は互生し、葉柄はなく基部が広く茎を抱きます。
頭花は茎先に上向きにつき、単生するか2~5個ずつつき、淡い紅紫色となります。
まれに白花もあります。
総苞は幅1.5~2cmの鐘形で、総苞片は6~9列します。
すべての総苞片に腺体があり、粘ります。
果実は白色の冠毛をもつ痩果です。
〔利用〕
若い茎や葉、根は食べられます。
全草を薬用とします。
〔栽培〕
増殖は実生、株分けによります。
日当たりと水はけ、風通しのよい場所を好みます。
地植えの場合は、極端に乾燥する場所は避けるようにします。
水やりは鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いてひどく乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
肥料は地植の場合は元肥を施せば特に必要なく、与えすぎると葉ばかり茂って花が咲きにくくなる場合があります。
鉢植えの場合は、生育具合を見ながら春~秋に緩効性肥料を少量施してもよいです。
草丈が高くなったら倒れないように支柱を立てるとよいです。
病虫害は特にありませんが、うどんこ病やアブラムシが発生することがあります。
〔備考〕
日本でもっともふつうにみられ、春~初夏に咲くアザミです。
まれに秋まで咲いているものが見られます。