ツルニンジン

ツルニンジン属 ツルニンジン
学名： Codonopsis lanceolata var. lanceolata

〔基本情報〕山地の林内でみられるつる性多年草。
塊根をもちます。
茎や葉を傷つけると白色の乳液が出ます。
つるは2～3mまでのび、若いうちはやや毛がはえます。
葉は主軸につくものは鱗片状で小さく、側枝につくものは互生または3～4枚が集まって偽輪生となる単葉で、長さ2～10cmの長楕円形または長卵形となります。
葉の縁にははっきりしない鋸歯があるか全縁となります。
花は側枝の先に1～2個、下向きにつきます。
花冠は長さ2.5～3cm、径4cmほどで先が5裂する広鐘形、白緑色で内側に紫褐色の斑点があります。
花冠の基部には5個の小さな距があります。
萼片は長さ2～3cmです。
果実は蒴果で、種子には片側の翼があります。

〔利用〕塊根を薬用とするほか、乳液を民間薬として切傷に用います。

〔栽培〕増殖は実生により、種子はとりまきとします。
半日陰で水はけ水もちのよい肥沃な土壌を好みます。
塊根が大きくなるので大鉢で栽培します。
水やりは春～秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は降雨にまかせます。
施肥は元肥のほか、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥しますが、与えすぎると大きく育ちすぎるので成長度合いを見ながら与えるようにします。
つるが伸びてきたら支柱を立てます。
病虫害は特にありません。

〔備考〕根がチョウセンニンジンのように太いことが名の由来です。
別名は「爺のそばかす」という意味で花の内側の斑点により、バアソブに対応する名です。
バアソブに似ますが、葉の裏面の毛の有無、種子の翼の有無などで区別されます。