植物図鑑
ホタルブクロ
ホタルブクロ属
ホタルブクロ
学名:
Campanula punctata var. punctata
〔基本情報〕山野や丘陵地の道ばたや林縁、草原でみられる高さ15~100cmの多年草。
短い根茎をもち、匍匐枝をのばしてふえます。
全体に粗い毛がはえますが、無毛の株もあります。
葉には根出葉と茎につく葉があり、根出葉は開花期には枯れています。
根出葉は卵心形で長い葉柄をもちます。
茎につく葉は互生する単葉で、長さ3~14cmの三角状卵形~披針形で、縁に不揃いな歯牙があります。
茎の下部につく葉には葉柄があり、葉柄には翼があります。
花は茎先や葉腋につき、茎の上の方から咲いていきます。
花は長さ2.5~5cmの鐘形で下向きに咲き、花の色は白~紅紫色まで幅があります。
花冠の内側に濃い色の斑点があります。
花冠は先が5裂し、両面に白い毛が密にはえます。
萼は5裂し、裂片の間に反り返った三角形の付属体があります。
ヤマホタルブクロに似ますが、萼片の間の付属体がヤマホタルブクロにはないという点で区別できます。
果実は蒴果です。
〔利用〕若芽を食用とします。
〔栽培〕増殖は実生、株分け、挿し芽によります。
株分けは地下茎の先につく子株を切り分けます。
水はけがよく、日向から半日陰で西日の当たらない場所を好みます。
夏に半日陰となる落葉樹の下に植えるとよいです。
強健で、環境が合えば放任してもよく育ちます。
水やりは鉢植えでは土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は晴天が続いてひどく乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
開花株では施肥はあまり必要ありませんが、鉢植えの場合は春に3成分等量の緩効性化成肥料または薄めた液肥を与えてもよいです。
子株には春~秋に3成分等量の肥料を与え続けます。
病虫害としてナメクジ、ヨトウムシ、アブラムシなどがみられます。
〔備考〕子供がホタルをこの花に入れて遊ぶから、あるいはホタルが出る時期に咲くから名がついたとされます。