植物図鑑
マツムラソウ
マツムラソウ属
マツムラソウ
学名:
Titanotrichum oldhamii
〔基本情報〕
常緑樹林内の渓流沿いなど、湿り気が多い岸壁にはえる高さ15~70cmの多年草。
全体に白色の剛毛が密にはえます。
葉は対生する単葉で、長さ5~20cm、幅2~8cmのゆがんだ卵形~長楕円形となり、縁には鋸歯があります。
葉柄は長さ0.5~5cmです。
長さ10~50cmの総状花序を出し、一方向に偏って花をつけます。
花は黄色く、内側が赤褐色の斑模様となります。
花には長さ0.5~1.5cmの花柄があり、花冠は長さ3.5cm、径1.2cmの筒状となり、先が2唇状に5裂します。
葉腋から出る花序にはむかごがつきます。
果実は蒴果です。
〔栽培〕
増殖は実生や株分け、葉挿しによります。
葉挿しは6月におこないます。
むかごでの増殖も可能です。
冬越しには5℃以上が必要です。
空中湿度が高い日陰を好み、直射日光に当たると葉やけを起こします。
強い風も避けるようにします。
土壌は水はけがよく有機質に富んだものがよく、硬質鹿沼土に桐生砂や赤玉土、軽石などを混ぜたものに、水苔やヤシ殻チップを混ぜたものを使用します。
山野草用の土を用いてもよいです。
常に水がにじみ出るような場所に生息するため、腰水や底面給水にし、常に湿り気を保てるようにします。
施肥は元肥としてリン酸とカリウム分が多めの緩効性化成肥料を少量、根に触れないように施し、春と秋は週に1回~月に2回程度、2000倍に薄めた液肥を与えます。
咲き終わった花がらはこまめに取り除くようにします。
病虫害はほとんどありませんが、ナメクジがつくことがあります。
〔備考〕
植物学者の松村任三(小石川植物園初代園長)を記念してつけられた名です。