植物図鑑
ケイワタバコ
イワタバコ属
ケイワタバコ
学名:
Conandron ramondioides var. pilosus
〔基本情報〕
滝や渓流沿いなど、湿り気が多い日陰の岩場などにはえる高さ10~30cmの多年草。
花茎や萼、葉の裏面などに軟毛がはえます。
褐色の長い毛が密にはえる根茎をもちます。
葉は1~2枚、根茎から束生し、長さ10~30cm、幅5~15cmの楕円状倒卵形です。
葉の表面は葉脈がへこみます。
葉の縁には不揃いの歯牙があります。
葉柄は3~10cmで翼があります。
葉腋から長さ10~30cmの集散花序を出し、2~30個の花がつきます。
花は径1.5cmほどで、花冠は星形に深く5裂します。
花色は紅紫色ですが、まれにピンクや白色のものも見られます。
花の中央部にはオレンジ色の丸い模様が梅鉢状に並びます。
萼は白色を帯びて、深く5裂します。
雄しべは5本あり、花の中央に集まり、花柱を囲みます。
果実は長さ10~13㎜、幅2~3㎜の蒴果です。
〔栽培〕
増殖は実生や株分け、葉挿しによります。
葉挿しは6月におこないます。
空中湿度が高い日陰を好みます。
冬の極端な寒さや夏の暑さを嫌い、直射日光に当たると葉やけを起こします。
強い風も避けるようにします。
土壌は水はけがよく有機質に富んだものがよく、硬質鹿沼土に桐生砂や赤玉土、軽石などを混ぜたものに、水苔やヤシ殻チップを混ぜたものを使用します。
山野草用の土を用いてもよいです。
常に水がにじみ出るような場所に生息するため、腰水や底面給水にし、常に湿り気を保てるようにします。
施肥は元肥としてリン酸とカリウム分が多めの緩効性化成肥料を少量、根に触れないように施し、春から秋まで週に1回~月に2回程度、2000倍に薄めた液肥を与えます。
咲き終わった花がらはこまめに取り除くようにします。
病虫害はほとんどありませんが、ナメクジがつくことがあります。
〔備考〕
岩場で見られ、葉がタバコの葉に似て、毛が多いのでこの名前がつきました。