モチツツジ

ツツジ属 モチツツジ
学名： Rhododendron macrosepalum

〔基本情報〕
低山～丘陵地のアカマツ林などの明るい二次林でみられる高さ1～2mの半常緑低木。
全体に腺毛が多くはえて粘ります。
葉には春葉と夏葉の2タイプがあり、ともに互生する単葉です。
春葉は長さ4～8cm、幅2～4.5cmの楕円形となり、両面に腺毛のほかに白色の長毛がはえ、裏面の主脈上には褐色の長毛がはえます。
夏葉は長さ1.5～5cm、幅1～2cmの狭楕円形となり、両面に腺毛のほかに褐色の長毛がはえます。
夏葉は一部が越冬し、冬は縁がやや裏に巻きます。
葉柄は長さ0.1～0.3cmです。
枝先に2～5個の花がつきます。
花は淡い紅紫色で、径4～6cm、花冠は5裂する漏斗形です。
花色には濃淡の色幅があります。
花冠の上側内面に濃い色の斑点があります。
雄しべはふつう5本、ときに6～7本あります。
果実は蒴果で腺毛が密にはえます。

〔栽培〕
増殖は実生によります。
発根率は非常に悪いですが挿木も可能です。
日当たりと水はけ、水もちのよい肥沃な酸性土壌を好みます。
乾燥する場所は避けるかマルチングなどをして株元の乾燥を防ぎます。
鉢植えの場合は夏は西日や直射日光が当たらない半日陰、秋～春は寒風を避けられる日向に置くのがよく、地植えでは落葉樹の陰になるような場所がよいです。
水やりは鉢植えの場合、秋～春は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、真夏は気温が低い朝と夕方の2回葉にもかかるように与えます。
地植えの場合は夏以外は降雨にまかせますが、夏は気温が低い朝もしくは夕方に葉にもかかるように与え、冬は乾燥が続くようであれば暖かい日の午前中に水やりをします。
施肥は寒肥、花後のお礼肥、秋の計3回、有機質の肥料か3成分等量の緩効性化成肥料を株の周りに施します。
剪定は行わず、花後の初夏に芽かきを行い樹形を整える程度にします。
花がらはこまめに摘みます。
病虫害としてはハダニ、ツツジグンバイムシ、ベニモンアオリンガがあります。