植物図鑑
ケイトウ
ケイトウ属
ケイトウ
学名:
Celosia cristata
〔基本情報〕一年草。
茎は直立して太いです。
葉は互生する単葉で、長さ5~20cmの卵形~卵状披針形で葉柄があります。
茎の上部の葉腋や茎先に花序がつきます。
花序が石化(帯化)する系統と羽毛状になる系統があり、発達した花序の形状などから、おもに以下の系統に分けられます。
トサカケイトウ:花序が扁平状に帯化。
久留米ケイトウ:花序が球状に帯化。
終戦直前に福岡県八女市の大月留吉がインドから持ち帰ったものから発展。
ウモウケイトウ:別名・フサゲイトウ。
花序は柔らかい羽毛状。
ヤリゲイトウ:別名・玉ケイトウ、スギナリケイトウ。
花序は玉状~円錐状になる。
スギナリケイトウとは杉形鶏頭と書き、花序をスギの樹形に例えたものです。
ただしヤリゲイトウには花序が玉咲になるものも含まれ、花序の形状は一定ではありません。
いずれも花序が大きく、花色も黄、橙、赤、ピンク、白など豊富です。
〔来歴〕原産地はアジア、アフリカの熱帯地方とされ、日本には奈良時代に中国から渡来しました。
〔利用〕アフリカや東南アジアでは食用、薬用として利用されます。
〔栽培〕増殖は実生によります。
直根性で移植を嫌うので、植え場所に直播きするか、植え替える場合は根鉢を崩さないよう注意して植えつけます。
発芽適温は20度以上なので、十分に気温が上がってから播きます。
種子は嫌光性なので、覆土して、発芽まで新聞紙などをかけて遮光するとよいです。
日当たりと水はけがよければ、土質はあまり選びません。
肥沃な土では葉ばかり茂るので、痩せた土の方が向きます。
日当たりが悪いと花色の発色が悪くなります。
夏は水切れさせると、成長が衰えるので土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
施肥は特に必要ありません。
病虫害としては立枯病、灰色かび病、アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニなどがあります。
立枯病や灰色かび病は日当たりや水はけがよくないと出やすくなります。
また、乾燥が続くとハダニがつきます。
連作障害があるので、数年ごとに植え場所を変えるほうがよいです。
〔備考〕日本の暖地にも帰化している熱帯性の一年草、ノゲイトウから派生した栽培起源とされる分類群で、独立の種として区別する見解もあります。