植物図鑑
トウカイコモウセンゴケ
モウセンゴケ属
トウカイコモウセンゴケ
学名:
Drosera tokaiensis subsp. tokaiensis
〔基本情報〕
コモウセンゴケとモウセンゴケの交雑起源と推定されています。
日当たりのよい酸性で貧栄養の湿地や粘土質の湿った裸地などにはえる高さ5~15cmの多年草。
食虫植物です。
葉はロゼット状に多数根出して、葉柄を含めて長さ1~2cmほどの倒卵形で、基部はしだいに細くなり、葉柄と葉身との明瞭です。
托葉は乾いた膜質で深く4裂あるいはそれ以上に裂けます。
葉はふつう赤色を帯び、表面は葉柄をのぞいて長い紅色の腺毛に覆われます。
腺毛は消化酵素を含む粘液が出してよく粘り、昆虫などを捕えて、養分を吸収します。
花茎の先に総状花序を出し、花序には短い腺毛がはえ、花序の先端がワラビのように巻きます。
花は淡い紅色の5弁花で、花序の一方に偏って10個前後つき、1つの花は1日でしぼみます。
萼片は長さ0.3cmほどの狭卵形~卵形です。
花弁はしぼんで果実期まで残ります。
果実は球形の蒴果で萼片より短く、種子はふつう長さ0.5~0.6mm、幅0.16~0.22mmの紡錘形です。
〔来歴〕
かつてはコモウセンゴケと混同され、コモウセンゴケの関西型されていました。
〔栽培〕
増殖は実生によります。
日当たりと風通しのよい場所を好み、冬は凍結しないようにします。
水苔単体に植えつけるのが簡単でよいですが、鹿沼土:赤玉土小粒:ピートモスを等分に配合したものも使用できます。
用土が常に湿っている状態にするため、腰水潅水とします。
肥料は特に必要なく、虫を与えなくても大丈夫です。
種子を採らないのであれば、花序の途中まで開花したら根元から花茎を切ると株が疲れません。