植物図鑑
カラタチ
ミカン属
カラタチ
学名:
Citrus trifoliata
〔基本情報〕高さ2~3mになる落葉低木。
若い枝は緑色で、1~3.5cmほどの太く鋭い刺が葉腋に互生します。
葉は互生する長さ3~5cmの3出複葉で、小葉は長さ1.5~3.5cm、幅0.8~2cmの楕円形~倒卵形です。
葉の縁には細かい鋸歯があります。
葉柄には翼があります。
花は前年の枝の刺の腋に単生または2個つき、葉が出る前に開きます。
花は白色の5弁花で芳香があります。
花弁は長さ1.5~2cmです。
雄しべは20本あり、1本ずつわかれます。
花には花柄はありません。
果実は3~4cmの球形で、黄色く熟します。
果実の表面には短い毛が密にはえます。
果実には種子が30個ほど含まれます。
果汁は酸味が強く、苦味もあるため食べるには向きません。
〔来歴〕日本には1000年以上前に朝鮮半島を経由して渡来し、各地で野生化しています。
〔利用〕他のカンキツ類の台木として用いられます。
未成熟の果実を生薬として利用します。
〔栽培〕増殖は実生、挿木、接木によります。
種子は乾燥すると発芽率が落ちるため、とりまきとするか、乾燥させないように湿らせて保存し翌春に播きます。
耐寒性が強く、北海道南部以南であれば露地栽培可能です。
日当たりと水はけ、水もちのよい場所を好みます。
水やりは地植えの場合、晴天が続いて乾燥しないかぎりは必要ありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
施肥は春と秋に有機質の肥料か速効性がある化成肥料を施します。
萌芽力が強く、強めに刈り込んでも枯れることは少ないです。
病虫害としてはアブラムシがあります。
アゲハチョウの食草です。
〔備考〕名は唐橘(からたちばな)が略されたものです。